あなたは同じ言葉を何度も繰り返して読むと、その言葉が変な風に感じられたことはありますか？
もしかしたら、それはゲシュタルト崩壊かもしれません。
今回はゲシュタルト崩壊を起こしやすい人の特徴や共通点、そして対処法について詳しくご紹介します。
ゲシュタルト崩壊とは？
「ゲシュタルト崩壊」とは認知心理学で使われる難しい言葉ですが、私たちの脳の興味深い仕組みの一つです。
私は同じような形を繰り返し書いていると、「本当にこんな形だったけ？」と疑問に思うことがありますが、これもゲシュタルト崩壊のひとつと言えます。
ゲシュタルト崩壊しやすい人の特徴や共通点
ゲシュタルト崩壊を起こしやすい人の特徴として、日常で同じ作業を繰り返すことが多い人がなりやすいといえるでしょう。
例えば、たくさんの文字や文章を書く仕事を持つ人（作家や編集者など）や、同じような音をずっと聴くような人（音楽編集者など）は、作業中にゲシュタルト崩壊を起こしやすい可能性があります。
そのような職業に就いていなくても、長時間同じ物を見続けていたり、同じメロディを何度も聞くと、誰でも感覚が乱れることがあります。
もし視覚や聴覚がおかしいなと感じたら、作業を中断してして一休みするのが良いでしょう。
ゲシュタルト崩壊とは簡単に説明すると？
ゲシュタルト崩壊は、私たちが日常的に体験する可能性がある不思議な現象です。
ためしに”を”というひらがなの文字を10回、20回繰り返して書いてみてください。
「ををををををををををををををををををを・・・」
書き続けていると、なんだか変な感じがしませんか？
これがゲシュタルト崩壊の一例です。
ゲシュタルトというのは、ドイツ語起源で、日本語では「形」ともいえる意味合いがあります。
このため、ゲシュタルト崩壊とは「形が解体する」といった感じですね。
一般的には、物の全体像が掴めなくなる、と解釈されます。
文字を何度も書いているうちに、このゲシュタルト崩壊により、全体のイメージがぼやけてきます。
ゲシュタルト崩壊は文字だけでなく、シンボルやデザイン、そして聴覚や皮膚感覚にも症状がでることがあります。
ゲシュタルト崩壊するとどうなる？
私の場合は、似た文字を書き続けてゲシュタルト崩壊が起きると、
気分が悪くなったり、軽い頭痛が起きます。
ただ、たいていの場合はゲシュタルト崩壊が起きても一時的なものです。
気分が悪くなった時に書くのをやめたり、見るのをやめると症状はおさまります。
ネットの情報などでゲシュタルト崩壊を起こそうとしている人がいるようですが、軽い気持ちで試すのはおすすめしません。
不快な情報をわざわざ探して脳に送り続けると、何かの拍子にある文字を見ただけで気持ち悪くなってしまうかもしれません。
ゲシュタルト崩壊を起こす原因はまだはっきりわかっていないため、遊び半分で起こそうとするのはやめておいたほうが良いでしょう。
ゲシュタルト崩壊しやすい人は病気なの？
ゲシュタルト崩壊を起こしやすいからといって、何かの病気が原因というわけではありません。
ゲシュタルト崩壊はあなたの精神や頭の状態が変わっているからではなく、認知機能の一時的な低下が原因となって起きることがわかっています。
誰にでも起こりえる現象なので、過剰に心配する必要はないでしょう。
ゲシュタルト崩壊を起こしやすい文字って？
ゲシュタルト崩壊が起きやすい文字・漢字としては、次のようなものがあります。
借、多、今、野、粉、若、丈、な、を、ル。
このほか文字だけでなく、デザインやシンボル、ある形などでも起こることがあります。
ゲシュタルト崩壊しやすい人の対処法はある？
ゲシュタルト崩壊がなぜ起こるのかは、まだはっきりと解明されていません。
ゲシュタルト崩壊を最低限に抑えるための対策としては、連続して特定の形や文字を見続けないこと。
上記のように特定の文字や記号を繰り返し書くのも避けるようにしましょう。
この現象は多くの人々に共通して見られるものです。
日常でこのような感覚の以上を覚えたときは、
・作業を中断して休憩をする
・環境を変える
・深呼吸や瞑想をする
・水分補給を行う
などを試してみてください。
深呼吸などをして気分を落ち着けること、部屋の明るさを変えたり場所を変えて作業するのも有効です。
また脱水は認識や集中力に影響を与えることがあるので、水やお茶などの水分を摂取することで、脳の機能をサポートすることができるでしょう。
まとめ
言葉や物の形、意味が一時的に崩れるゲシュタルト崩壊。
言葉は難しいですが、誰にでも起こりうる身近な現象でもあります。
脳の病気などでもありませんので、深刻にとらえすぎず、もし起きてしまったら少し休憩したり、別の作業にうつるとよいでしょう。
もしかしたら、普段の日常の中で気づかないような瞬間にもこの現象は潜んでいるかもしれませんね。
